<連載:てっちゃん in ラオス>


  第11話  ロケット祭り
 今回は私の慈善活動をちょっとお休みにして、5月後半にラオスのあちこちでロケットを打ち上げらるブン・バン・ファイの話をしよう。日本語ではロケット祭りだ。なぜ打ち上げるのかはっきりしないが、雨乞いと、子孫繁栄祈願の儀式だという人が多い。一昨年も見物に行ったのだが、昨年(2008年)はかなり規模の大きなものがあるという事前情報があり、夫婦で行った。と言っても、この記事が掲載されるのは、多分1年遅れになると思う。

 各地で行われるラオスの祭りは、いつあるのかなかなか分からない。口コミの世界なのである。車に妻の作った料理とビール、それに帰りの運転を頼む友人を乗せて、朝11時ころ出発。ほかにも日本人数人が別の車で出発。目的地はビエンチャンから約40km離れたリンサンという村である。40kmも行くと完全に田舎である。

crawded  普段は人口2000人ほどの小さな村だが、出店もあり、大勢の人が集まっていた。この村の出身の多くの若者がビエンチャンで働いていて、この日は友人を連れて里帰りするらしい。私の車を運転して帰るのもこの村の出身者だ。彼の実家の居間を借り、地元の人と一緒に料理を広げて早速酒盛りだ。

 2時ころにロケットの打ち上げが始まったが、地元の人は自分の庭でロケットの音だけを聞いて酒盛りと、ダンスに興じている。毎年のことなので別に見なくてもいいらしい。私たちは、せっかく来たのだから、会場へ行くことに。運良く別の日本人グループに会ったので、彼らの確保した場所に入れてもらう。

 最初は小さなロケットを打ち上げ、だんだん大きな物を上げるそうだ。種子島のロケット打ち上げと仕組みはほぼ同じで、発射台にロケットをセットして点火する。順位を決める訳ではないが、まっすぐ上にあがるのが良いということで、その美しさを競っている。 rocket

  3時半ごろに最後の大きなロケットを打ち上げると言うことであったが、あいにく雨が降り出し打ち上げが中断した。その間は音楽に合わせて踊りまくる。私たち夫婦も当然参加。ラオス人は何しろ踊りが好きだ。雨がやんで、6時半ごろ、最後のロケットが上がった。火薬は100kg以上使われているらしい。貧しくても、ラオス人のエネルギーはかなりのものだ。
(つづく)