中央アフリカの自然(96年9月21日)
<上空からの写真> 緩い起伏のサバンナがどこまでも続く |
<上空からの写真> 川の蛇行に沿って木が茂っている
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中央アフリカは、南部には熱帯雨林、北部には僅かであるが砂漠があり、残りのほとんどがサバンナである。
首都のバンギ市は標高が350m程度で一年中蒸し暑いが、われわれが工事を行っているヤロケ地区は、バンギから北西に300kmくらい離れた位置にあり、標高が700mから800mのサバンナ気候になってる。
このあたりは典型的な内陸性気候で、乾季には昼と夜の温度差が20度ほどあり、雨季でも15度近くの差のある日が多い。
<乾期の朝> 曇っているわけでもないのに砂ぼこりで霞んでいる
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日本の夏が概ねこちらの雨季にあたり、冬が乾季にあたる。
12月ころの早朝が一番気温が低く、摂氏10度近くまで下がる。ただし、日中は30度を軽く超し、体調の維持が難しい時期である。
2月、3月は急に暑くなり、日中の気温は摂氏40度くらいで湿気がほとんどなく、まさにサウナと言う感じである。また、ほこりががひどく空気が常に霞んでいる。
<雨期の夕日> 雨期は空気が澄んでいて朝日、夕日、夜空、すべてが美しい
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4月には雨が降り始め10月ころまでが雨季となる。
7月、8月は特に雨が多く、工事の進捗の悪い時期であるが、日本の夏のように日中の湿度がそれほど高くないので、一年のうちで一番過ごしやすいときである。
<ボアリの滝> バンギから80kmの所にある名所
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「暑い」と言うのが日本人の平均的なアフリカのイメージであるがそれは間違いである。中央アフリカは日本の夏に比べるとずっと過ごしやすい。雨季も乾季も服装は何でも良い。半袖の下着に長袖の作業服,その上に分厚いブルゾンを着て一日中快適に過ごせるし、ランニングシャツだけでも十分である。部屋の中にいるとクーラーは必要であるが,外にいればほとんど暑さを感じない。乾期の砂埃さえなければ世界で一番住み易いところかも知れない。ただし、汗はかかないのに知らないうちに汗腺から体の水分が取られていくので気を付けなければならない。
<ウバンギ川> コンゴ川の支流であり、キンシャサまたはブラザビルまで貨客船の運航がある 対岸はコンゴ民主共和国(旧ザイール)
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バンギの横にはコンゴ川の支流であるウバンギ川があり、またバンギから約80km離れたボアリに調整ダム(既設の発電所を乾期でも稼働できるように上流にダム作って雨期の間に水を貯めておく)が1991年に完成した。
これで出来たムバリ湖の影響でバンギの方は乾期でもそこそこの雨が降るようになった。しかし、ヤロケ地区は乾期にはほとんど雨が降らない。
<ムバリ湖> ボアリにあるダムによってできた人造湖
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中央アフリカの代表的な花は火炎樹とブーゲンビリアだと思う。これ以外にもアカシアなど花は結構あるが、思ったよりその種類は少ない。
現地人も花にはあんまり関心が無く、花の名前を聞いても単に「花だ」と言う返事が返ってくる。
野生の動物はやはり減っていて、政府が保護をしてるが密猟が多いようである。
<花> 桜のように見えるのはタベブニア(TABEBOUNIA)と言うらしい
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この国には熱帯雨林と、サバンナの両方の動物が居るので、観光資源には恵まれていて自然公園もいくつか有る。しかし、何しろアクセスが悪いので開発が進んでいない状態である。北の方にあるサンフローリス国立公園が有名であるが、バンギからは陸路で1000kmほどあり、そのほとんどが未舗装道路である。
軽飛行機で行くのが一般的であるが時々途中で墜落する。