中央アフリカの人々(96年12月17日)

Villege  この国は奴隷貿易の時代に、その当時住んでいた相当数の人々が奴隷に売られて行った。一説では国民の3分の1が奴隷として売られたらしい。
House  そのあと出来た空白地帯に周りから人々が移住してきたため民族の歴史はまだ浅い。人口約300万人の内、中心となっている民族はバンツー系で、あとはアラブ系の商人が15万人、ピグミー系部族とアラブ系の元遊牧民が定着したボロロ族がそれぞれ2万人程度である。これ以外に白人系が数千人いる。


Bantu
<キャッサバを食べる家族>
 公用語はフランス語であるが、口語としてはサンゴ語と呼ばれるバンツー系の言語が使われていて、この国のバンツー系のほぼ全員、それ以外の部族でも数10%の割合で普及しているので、事実上の共通語になっている。

 都市部以外に住むバンツー系部族は農耕が主で、キャッサバを主食にし、ほとんどのカロリーをこれに頼っている。キャッサバはフランス語でマニョックと呼ばれる芋で、一種の砂糖大根のような物だと思えばよい。これを精製して作ったでんぷんがタピオカである。家屋はラテライトの日干しレンガの壁に草葺きの屋根である。

Pygmy
<ビグミーの家族>
 ピグミー系の部族はコンゴとの国境に近い南部の熱帯雨林の地区を居住地域にしていて、草の葉で簡単な家を作ってはしばらくそこに住み、ある程度すると移動し、森の中では今でもほとんど裸に近い姿で生活している。

 最近は政府の定住化政策で農耕を営む者も多くなったが、ほとんどが未だにジャングルの中での狩猟採集生活である。

Bololo
<ボロロ族の女性>
 ボロロ族はピグミー系の住居とはまた違う芦のような草で簡単な家を作って住んでいる。牛や羊を遊牧して生活していたので、政府の定住化政策をなかなか受け入れなかったのであるが、ここ数年で、定住化が相当進んで来た。
 今では牧場を確保しての放牧が主流で、バンツー系と同じような家を建てて住む者が多くなってきた。

 バンツー系部族とその他の部族は居住地域や生活手段が違うこともあって、特に利害の衝突がなく、お互いの争いは今まで皆無に近いそうである。

 世界では最貧国の仲間に入るが、今までに飢餓で苦しんだことはないらしい。国民のほとんどが貧しいが、食糧自給率は日本よりも上で、ほぼ自給自足が可能である。
 それに、自然の果物が豊富な上に人口密度が低いので、マンゴーなどは最盛期には彼らだけでは食べきれないくらいである。

Banyu BoyMango TreeMango
<バンツーの子供達><マンゴーの木>
茶色く見えるのは花
<マンゴーの花>


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