<連載:てっちゃん in ラオス>


  第6話  熱心な生徒たち

32人の生徒の内訳は、8人がハイスクール4年生で24人が5年生である。日本式でいうと高校1、2年生というところだ。7月1日に開講式を行い、2日、3日は、まずパソコンに慣れてもらうことからはじめ、そのあと、ホームページ作成のレッスンを行った。

全員が来るとパソコンが足りないので、生徒を午前と午後の2組に分けて、火曜日から金曜日までは、それぞれ2時間のパソコンレッスン、土曜日は2時間の日本語レッスンを日曜日と月曜日はレッスンを休みにした。しかし、レッスンの無い日でも朝10時から夜8時まで大勢が勉強にやってきた。

夏休みということもあったが、こんなに熱心に来るとは思わなかったので少しあわてた。というのは、彼らの理解の進むのが速すぎて講習の資料の準備が大変なのである。講義の時間以外は毎日、朝8時から夜8時まで、ほとんど、資料作りに追われた。

全員パソコンにかなり慣れてきて、ホームページもレベルの高いものが作れるようになってきたので、8月11日でパソコンのレッスンはしばらくやめて、8月29日にホームページコンペを開催することにした。ほとんどの者が、毎日一生懸命、ホームページ作りに精を出し、1日8時間以上、パソコンの前に座っている者もいた。

コンペの結果はレベルにかなりバラツキがあったが、ほぼ満足のできるものになった。中でも上位5名ほどは、これで金が稼げるのではないかと思えるほどの実力になっていた。

Trainees
生徒は毎日一生懸命勉強した
夏休みが終わって、9月から新学年が始まったので、パソコンの講習時間も夜に変更した。ところがここで問題が起きた。 学年がひとつ上がって6年生になった24名の内の20名ほどが来られなくなったのである。

来ている生徒は優秀な者が多く、ほとんどがラオス国立大学入学を目指していて、これが非常に狭き門なのである。親と先生から、パソコンをやめて、学校で行う補習授業を受けるように言われたらしい。パソコンの勉強をいくらしても大学受験には役立たないというわけだ。

毎日多くの生徒が来て賑やかだったのが、急にさびしくなってしまった。それでも、日本語教室だけは、続けたいという者がいくらかいて、5年生も含めて15名ほど残った。

新学年が始まって、2期生を募集するので、こちらに期待して、少し多く入れることにした。そして、長く続けられるように、4年生を多く入れることにしたが、応募してきたのは5年生が圧倒的に多く、4年生は少なかった。テストの結果、4年生には点を甘くして、5年生13名、4年生14名を合格にした。しかし、4年生の英語能力は極端に低く、しかたがないので、毎週日曜日に4時間の英語特訓を行うことにした。

2週間たつと、5年生1名と4年生4名がパソコンのレッスンについて来られなくて、やめてしまった。無料の教室だからいっぱい生徒が集まると思ったのに、2007年2月末の時点で、在籍者60名ほどの内、続けているのは30名ほどになってしまった。何か方策を考えなければ閑古鳥が鳴いてしまいそうだ。

(つづく)