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<連載:てっちゃん in ラオス>
第10話 おりがみ教室
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結婚式には300人ほど来てくれたのだが、実は400人ほど招待していた。あとで、来れなかった理由を聞くと、ラオスの正月なので朝から酒を飲んでいて、夜に出席するのは難しいといわれた。遠くからは大勢来てくれたのだが、近くの人は来ないという不思議な結果になった。
ラオスは正月が3日間あり、国民の祝日だ。最初の日が本当の正月かと思うとそうではない。ラオス人の誰に聞いても「3日間が正月だ」と言うだけで、なぜ3日間あるか分からない。
それで、いろいろ調べてみた。結論としては「最初の日が大晦日」、「真ん中の日はどちらでもない日」、「3日目が本当の正月」である。
これは星座と太陽の関係で決まるが、詳しく話してもどうせ理解する人はあまりいないだろうから簡単に言うと、太陽が黄道上のある地点を通過したときが1年の始まり。でも、それが、真夜中の12時にはならないから、通過した日は、大晦日でも元旦でもない中途半端な日になってしまう。それで、その次の日を元旦としているのだ。この3日間は無礼講で酒を飲み、道行く人に水をかける。(第3話参照)
結婚の前にホワをつれて日本へ帰ったとき、ホワが家にあったおりがみの本に興味を示して、それをもらってきて勉強しだした。小さな本だったこともあり、あっという間にすべて折り終えてしまった。それでインターネットのページを探すと東京の新宮さんという方のページが見つかり、そこには400以上の折り図と、動画が掲載されていた。早速、新宮さんの許可を得て、私のパソコン教室の生徒を使い、全ページのラオス語への翻訳を開始した。
生徒も熱心にパソコンの勉強をしながら手伝ってくれたので約1か月でホームページを完成した。このページは公開するとともにCD-ROMにも焼き付けた。
その年(2007年)の10月13日に。ホワと一緒におりがみ教室を開講した。毎週土曜日の朝2時間だけだが、ビエンチャン市内の小学校に打診すると、大きな反響があり、とても対応しきれないので、順番に各学校から先生数名と児童20人ほど来てもらい、折り図の見方などを教えて、CD-ROMを渡して自分たちで勉強してもらうことにした。
初日には新聞社やテレビ局が取材に来て、テレビでは夕方7時のニュースで2分半もかけて紹介され、新聞にもホワの大きな写真とともに記事が掲載されていた。これを約4ヶ月続けて、学校の行事や休みが多くなる2月以降はしばらく休講とした。10月には再開する予定である。
| (つづく) |
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