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ラオス人民民主共和国
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日本語ラオス語辞典
あきこと友だち
連載:てっちゃん in ラオス
第1話 私の生き甲斐
第2話 出会い
第3話 水祭り
第4話 合意書調印
第5話 開講
第6話 熱心な生徒
第7話 婚約
第8話 結婚許可証
第9話 結婚式
第10話 おりがみ教室
第11話 ロケット祭り
第12話 ラオス語
ビエンチャン
活動の記録
おりがみくらぶラオス語版
てっちゃんの報告書
てっちゃんの横顔
Since 1 September 1996
<連載:てっちゃん in ラオス>
第12話 ラオス語の不思議
ラオスに来て早いもので4年になりました。第1話からの読者はすでにご存知ですが、自己紹介をもう一度させてください。
定年前に会社を早期退職し、そのときの奨励金を元に、小さな慈善スクールをラオスの首都ビエンチャンに開きました。高校生を相手にパソコンと日本語を教え、教職員には、業務に必要なパソコンの使い方を教えています。それ以外にも、目の不自由な子供たちに日本語を教えたり、小学生に折り紙を教えたりしています。2年前にラオス女性と結婚し、今は2人で運営しています。生涯活動としてできるだけ長く続けたいと思っています。
今回は、ラオスについて少しお話をします。
正式な日本名は「ラオス人民民主共和国」。国土は日本の本州よし少し広く、人口は約600万人。1人当たりのGDP(購買力平価)は2200ドルで日本の約15分の1です。国民はラオ族が中心で、隣のタイ人とはもともと同族だといわれていています。タイには2000万人ほどのラオ族が住んでいますので、ラオ族はラオスよりタイに多く住んでいることになります。
14世紀にラーンサーン(百万頭の象)王国が建国されたのが、国としてのラオスの始まりとされ、その後、タイの支配下に入り、フランスに占領され、第二次世界大戦後の内戦を経て現在に至ります。年配の方はホーチミン・ルートというのを聞かれたことがあると思いますが、これはベトナム戦争当時、ベトナム共産党軍がラオス国内に補給ルートを確保したもので、これに対し、アメリカ軍は無数の爆弾を投下し、今でも大量の不発弾が残っています。
前置きが長くなりましたが、それでは、「ラオス語の不思議」についてお話ししましょう。ラオス語とタイ語は非常に近く、文法はほぼ同じで、語彙もかなり似かよっています。 「わたしはごはんをたべます」は、ラオス語で
(コイ・キン・カオ)といいます。中国語と同じで、基本的に1音節ずつに意味があります。
(コイ)が「私」、
(キン)が「食べる」、
(カオ)が「ごはん」です。文型は「主語+動詞+目的語」ですので、英語と同じようですが、形容詞が名詞のあとに来るのでラテン系の言葉に近いでしょう。
ラオス文字
私はインドネシアに4年間いたので、インドネシア語がかなりできますが、口語のインドネシア語とラオス語の文法はよく似ています。「それじゃ、ラオス語なんかすぐに覚えられるでしょう?」と言われそうですが、おっとどっこい、そうは行きません。「わたしはごはんをたべます」は12音節ですが、ラオス語では、たったの3音節なんです。日本人が「わ・た・し」と言ったときには、ラオス人はすべて言い終えている計算になります。同じことを言うのに日本語は4倍時間が掛かるということです。
なぜ、こんなに少ない音節で済むのかというと、音の多さです。子音が33個、母音が28個ありますので、これだけで33×28=924の音節が作れます。これに声調記号が3つ、末尾子音というものが8つあり、924×3×8=22176の音節が作れます。 たとえば、日本人には「コオ」と聞こえる音がラオス語には
・・・・・・
と、72個もあります。
使わない音もありますが、いずれにしてもかなりの数です。日本語の音節は50音に濁音、拗音、促音などを入れても120ほどです。関西弁にも「子」と「粉」、「甲」のように声調の違いがありますが、せいぜい3種類です。ラオス語を学ぶ上で難しいのはこの点です。
では、日本語を学ぶラオス人にとって何が難しいかと言うと、動詞の活用などの複雑な文法と音節の多さです。日本語は音節が多いので、早口ことばに聞こえるそうです。
(つづく)